皆さんは、「別珍（べっちん）」という素材をご存知でしょうか？

「ベルベット」や「ベロア」に近い風合いの素材で、見た目もよく似ているのですが、この2つの素材と別珍は作り方や構造が微妙に違います。

「別珍」で作るカーテンは、その独特の風合いから、「高級感が求められる空間」などにバッチリとハマります。

この記事ではその「別珍」の魅力に迫っていきたいと思います。

別珍とはどのような特徴の生地なのか？

「別珍」、「ベルベット」、「ベロア」など、独特の手触りで光沢感がある生地は総じて、「パイル織物」という生地に分類されます。

この中でも「別珍」はどのような特徴を持つ素材なのでしょうか？

• 学校の体育館や劇場の幕によく使われる
• 綿でできている
• 英語のベルベッティーン（velveteen）が語源で、「別珍」は当て字
• 世界中で日本でしか生産されていない
• パイル織物の中でも特に製作に繊細で高い技術が必要

少し気にかけて周りを見てみると、実は日常の生活用品でよく使われている「別珍」。

普段は何気なく使っていた素材のひとつである「別珍」も、このような特徴を見た上で、素材選びの際に意識すると、より一層生活用品を選ぶのが楽しくなりますね。

別珍はどういうものに使われるのか？

別珍は服飾小物からインテリア用品まで、多種多様な場面で用いられています。
具体的には、主に以下のようなものに使われています。

• カーテン生地
• 帽子
• 暗幕
• ジュエリーボックス
• スカジャン
• 足袋
• ソファー

この他にもたくさんのものに利用されていますが、別珍の特徴でもある、「光沢・高級感」から、それらを生かしたものに活用されることが多くなっています。

「ベルベット」「ベロア」との違い

それでは「別珍」は、似ている素材の「ベルベット」や「ベロア」と具体的にどのような部分が違うのでしょうか？
詳しく見て行きましょう。

• 別珍の素材は綿。別名「綿ビロード」とも呼ばれる。
• 別珍はベルベットに比べて生地が薄く、硬めである。
• 別珍は他２種類と比べて毛足が短く、光沢も落ち着いている。
• ベロアは編み物で、別珍とベルベットは織物である。
• 別珍とベルベットは同じ織物だが、織り方が異なる。
• 別珍は布から上に向けてループ状の糸が出ていて、そのループの中心部を切断することで毛足ができている。
• 別珍は水分や圧力に対してベルベットよりも比較的丈夫にできている。

それぞれの見た目はぱっと見ただけでは同じように見えますが、作り方や構造、使用される繊維などが異なるため、取扱い方や注意点も違ってきます。

別珍はベロアやベルベットに比べて水分や圧力に比較的強いため、日常で布を左右に動かしたりするカーテンに向いている素材と言えるでしょう。

「別珍」はどういうお部屋に合うのか？

そんな独特の光沢と厚みを持つ「別珍」に似合うお部屋はどんなお部屋なのでしょうか？

• ダークな印象の洋館
• 濃い木目のインテリアの和室
• 暖炉があるヨーロピアンな家
• アンティーク家具を使ったリビング
• 落ち着いた色味のインテリアの書斎
• チークのフローリングの寝室

別珍は選ぶ色味によって様々な場面で活躍できます。

お部屋に高級感を出すことはもちろん、レトロな雰囲気を出したり、暖かみのある生地で、秋冬の季節感を出したりするのに用いられることもあります。

別珍のものをお部屋にひとつ置くだけで、インテリアの雰囲気がグッと引き締まり、ワングレード上がったお部屋になります。

別珍の生地の厚みは？その独特の厚みは防寒効果も！

別珍の生地のカーテンは、高級感だけが特徴ではありません。その「厚み」も特徴のひとつです。

厚みのあるカーテンは、窓辺で外からの冷気の侵入を遮断して部屋を保温し、しっかりとした防寒効果をもたらします。

冬の冷気は、冷たい風が窓を冷やして、室内の空気を冷やすことで部屋の温度を低くします。

窓と厚手カーテンの間に空気層があると、ここで冷気が留まって部屋の中に入らなくなります。

そのため、高い防寒効果が得られます。

このように厚手の素材である別珍は、お部屋のインテリアとしてでなく暖房など光熱費の節約にもしっかり役立つ便利な面を合わせもった素材なのです。

まとめ：別珍のカーテンは独特の高級感を持つが、部屋の雰囲気や用途も選ぶので注意！

「別珍」のカーテンは、他のカーテンにない独特な光沢感と高級感を持っていますが、高級感があるがゆえに、爽やかでポップな雰囲気のお部屋には合わない傾向があります。

しかし現在販売されている別珍のカーテンのラインナップでは、黄色やオレンジ、水色など、ポップな色の別珍の生地も取り揃えられています。

コーディネートによってはポップな部屋でも合う別珍カーテンがあるかもしれません。

ご自身のお部屋に合わせて、布のサンプルなどを取り寄せて、ぜひフィッティングしてみてくださいね。

家具などでインテリアに取り入れるには、なかなかハードルが高く感じられる素材の「別珍」ですが、カーテンであれば取り外しも簡単にできますし、何より家具よりも安価に購入ができます。

「別珍を取り入れてみたいけど難しそうだな」と思っている人は、まずはカーテンから取り入れてみるのがよいでしょう。

メリーカーテンでは、別珍の光沢感をより引き立たせる縫い方で、オリジナルカーテンをオーダー製作しています。

「別珍のカーテンにしてみたいけど、いまのお部屋に合うかわからない」とご不安な方は、ご自身の部屋に合うかどうかも含めてカーテンのプロがご相談に乗らせていただきます。

みなさまからのお問い合わせをぜひお待ちしております。

別珍のカーテンをお探しの方、お部屋にあったカーテンのご相談は、大阪の『メリーカーテン』まで！